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全国的に防災・減災やインフラ老朽化対策、再生可能エネルギー関連工事などの需要が堅調に推移すると見込まれています。茨城県においても同様の傾向が強く、地域特性を踏まえた幅広い建設需要が継続しています。
まず注目されるのは、道路や河川といった公共インフラの維持・更新です。常磐自動車道や圏央道の整備・改修工事は物流網や通勤圏を支える重要プロジェクトであり、引き続き地域経済を下支えする要素となっています。また、那珂川や利根川をはじめとする大規模河川では、近年頻発する豪雨災害に備えた堤防強化や河川改修が計画的に進められており、防災・減災投資が県内建設需要を押し上げています。
さらに、県南地域では筑波研究学園都市や周辺地域での再開発・都市整備が進行中です。研究施設や教育機関に関連する建築需要に加え、人口動態に対応した住宅建設や商業施設整備も見込まれ、都市機能の拡充が続いています。一方で鹿島臨海工業地帯や港湾施設では、老朽化設備の更新や耐震化工事が進められており、産業基盤の強化に直結しています。
こうした需要は堅調である一方、課題も顕著です。特に深刻なのが人材不足であり、技能労働者の高齢化と若年層の県外流出が重なり、施工力の確保が難しくなっています。そのため県内の建設企業は、初任給引き上げや資格取得支援、ICT建機やドローン測量などデジタル技術の導入に積極的に取り組み、労働環境の改善と魅力発信を進めています。こうした動きは従来の「きつい・危険」という建設業のイメージを変える大きな要因となりつつあります。
資材価格の高止まりや労務単価の上昇も業界にとっては負担となりますが、公共投資の安定性や再生エネルギー・環境対応建築といった新しい需要の拡大は、茨城県の建設業界にとって成長のチャンスでもあります。総じて、令和8年度の茨城県における建設業界は、人材不足という課題を抱えながらも、防災や地域開発を背景に安定した需要を維持し、DXや働き方改革を通じて次世代に向けた産業基盤を築いていく局面にあるといえるでしょう。